2011年1月28日金曜日

【中国】「住宅市場の矛盾、あと20年続く」=社科院

 中国社会科学院は、不動産をめぐる今後の見通しなどについてまとめたリポートで「住宅価格が今年下落に転じる可能性は低い」との見方を明らかにした。当局が相次ぎ住宅価格の抑制策を打ち出す中、主要都市では価格が下降に転じる動きも出始めているが、同院は不動産バブルの崩壊はないとし、「(庶民の手を離れた価格上昇にみられる)住宅市場の矛盾はあと20年は続く」と予測している。【上海?菅原湖】

 リポートは今年の住宅価格について、上昇幅は一定の変動をみせるものの、下落に転じる可能性は低いとし、現状のままでの劇的な変化は望めないとの見方を示した。一方で「昨年の都市部では、不動産価格の上昇幅がすでに購入希望者が受け入れられる限界を超えた矛盾がみられる」とした上で、住宅価格の上昇が恒久的に続くこともないともし、今後の価格上昇には一定の限度があるとの見方も示している。
 
 同院関係者はその上で、当局が今年さらなる住宅価格の抑制と、本格的な金融引き締めなどに踏み切った場合は「都市部の住宅価格が、下半期から下落に転じる可能性もある」とし、当局によるさらなる抑制策の必要性についても触れた。専門家の中には、投機目的での購入が全体の価格を押し上げているのは明らかだとして、さらなる抑制策として課税強化などを求める声も出ているようだ。
 
 国務院(中央政府)は先月から住宅価格の抑制を視野に、住宅ローンの利用に当たり、頭金や貸付利率について定めた規制強化を打ち出しており、先には一部地域での投機目的とみられる住宅購入への融資をさらに厳格化することなども決めている。
 
 これらの抑制策により、価格下落を見込んだ買い控えが進行。先週(4月26?5月2日)における全国の住宅取引は減少。全国32都市のうち26都市で前週に比べ取引面積が減少し、中でも南京市では減少幅が77.9%に達した。こうした市場低迷を受け、香港上場の不動産デベロッパー大手、恒大地産はこのほど、大手で初めて物件の値下げを決定。物件すべての価格を15%引き下げる方針を発表している。
 
 <全国>

引用元:住宅 | 柏市